初め見た時は「何だ？」と思ったが、読んでみてその理由が分かった。 [マンガ]
読売新聞2010年5月1日土曜日 地域面（奈良版）より
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考古学漫画が話題
◇奈良の架空大学を舞台に少女を描く
奈良の大学で考古学と出合う少女を主人公にした漫画「メッシュ！！」（講談社）が、話題を集めている。奈良市に住む作者、小野直美さん（39）は奈良大学（奈良市山陵町）の教授や学生に取材した成果を盛り込み、「奈良や文化財に少しでも興味を持ってほしい」と話す。（土肥修一）
「メッシュ！！」は、大好きな仏像や寺について学ぶため、島から奈良の「平城山大学」に進学した初瀬一花（はつせいちか）が、考古学を専攻する先輩や仲間らと出会い、悩み、成長していく物語。女性向け漫画雑誌「Kiss（キス） PLUS（プラス）」（隔月発行）で連載。3月に発売された単行本の第1巻は7千部発行された。メッシュは、考古学の分野では遺跡全体を方形に区切って糸を張ることを意味するという。
◎奈良市在住の小野直美さん 大学教授らに詳細取材
子どものころから仏像が好きだったという小野さん。漫画を描くにあたり、文化財学科のある奈良大で教授や学生らに取材し、斑鳩町の中宮寺跡の発掘調査も手伝った。取材後、学生とメールでやりとりを続け、就職先に悩む様子なども漫画に表現した。
取材を受けた文化財科の千田嘉博教授（考古学）は「発掘現場の様子や土器を洗う時の場面など、細部までまじめに丁寧に取材し、描いてくれた」と話す。教授をはじめ、学生らにも好評という。
小野さんは3歳のころ、父親の実家の奈良市高畑町に移り住んだ。周りは新薬師寺や白毫寺など寺院に囲まれ、自然と仏像にひかれていった。「高校のころ、仏像が好きというのはクラスで私くらいでしたね」と笑う。
中学のころから漫画家を目指し、高校ではバイトでためたお金で画材を買って漫画を描いた。卒業後はチラシやパッケージのデザインをする仕事をしながら、漫画を投稿した。当初は東京など都会を舞台にした少女漫画を描いていたが、なかなか思うようにいかなかった。結婚や子育てもあり、一時は漫画から遠ざかった。
そんな時、編集者から「奈良を舞台にした漫画を描いてみたら」と言われ、2010年に奈良町を舞台にした漫画「ホームスイートホーム」を出版。「慣れ親しんだ奈良を描いて、すごくしっくりきた」と振り返り、「メッシュ！！」の執筆へとつながった。今も時間があれば県内外の寺院に出かけ、お気に入りは円成寺の大日如来坐（ざ）像や新薬師寺の十二神将像。「メッシュ！！」にも仏像の知識が盛り込まれている。
「メッシュ！！」は10話完結予定で、連載はあと3回。「古いものを大切にする温かい雰囲気の奈良が好き。今後も奈良のことを描いていければ」。県内はじめ全国の書店で購入でき、2巻は年末ごろに発売予定という。
■奈良大学■
1969年開学。現在、文学部と社会学部に約2600人が通う。79年、文学部に全国初の文化財学科を設置。「考古学」「美術史」「保存科学」など文化財に関する学問を総合的に学べ、全国から集まった学生464人（4月時点）が在籍する。万葉学者の上野誠教授や近世国文学者の永井一彰教授、日本地理学会会長を務めた石原潤学長ら著名な教授を抱える。桜井市の纒向（まきむく）遺跡を調査する橋本輝彦・同市教委文化財係長ら、文化財の調査・研究に第一線で携わる卒業生も数多く輩出している。
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『メッシュ!!』が連載、単行本が発売されてから、新聞や地域誌によく取り上げられています。「仏像と考古学」という奈良らしい分野のマンガであるからだと思います。
大学校内の売店では私が目算したところ、50冊ほどの単行本が売られていました。おそらく、奈良市内のどの本やよりも多くの売上数だと思います。
大学の図書館にも単行本2冊が入っていました。また、掲載雑誌の「Kiss Plus」は連載すべての号が揃っています。
GW中に浜松市内のいくつかの本屋を見ましたが、どの本屋にも1冊ずつ置いてありました。離れた地域であっても、考古学や仏像といった今流行りの分野のためでしょうか？
連載が始まった当初は、掲載雑誌が大学図書館に置いてありました。「なぜ、マンガ雑誌が図書館に？」と思ったのですが、読み始めて「あぁ、考古学マンガだからか・・・」と最初は思いました。そして、1話の『メッシュ!!』の最終ページを見て、「あっ!うちの大学か!」と気づきました。そして、2話の三輪先生の研究室とコーヒー話しは一目見て分かりました。どの先生が関係しているかと。
連載があと3回で10話完結というのは寂しいですが、身近な生活空間がマンガの舞台となり、大学在学中のよい思い出になりました。
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考古学漫画が話題
◇奈良の架空大学を舞台に少女を描く
奈良の大学で考古学と出合う少女を主人公にした漫画「メッシュ！！」（講談社）が、話題を集めている。奈良市に住む作者、小野直美さん（39）は奈良大学（奈良市山陵町）の教授や学生に取材した成果を盛り込み、「奈良や文化財に少しでも興味を持ってほしい」と話す。（土肥修一）
「メッシュ！！」は、大好きな仏像や寺について学ぶため、島から奈良の「平城山大学」に進学した初瀬一花（はつせいちか）が、考古学を専攻する先輩や仲間らと出会い、悩み、成長していく物語。女性向け漫画雑誌「Kiss（キス） PLUS（プラス）」（隔月発行）で連載。3月に発売された単行本の第1巻は7千部発行された。メッシュは、考古学の分野では遺跡全体を方形に区切って糸を張ることを意味するという。
◎奈良市在住の小野直美さん 大学教授らに詳細取材
子どものころから仏像が好きだったという小野さん。漫画を描くにあたり、文化財学科のある奈良大で教授や学生らに取材し、斑鳩町の中宮寺跡の発掘調査も手伝った。取材後、学生とメールでやりとりを続け、就職先に悩む様子なども漫画に表現した。
取材を受けた文化財科の千田嘉博教授（考古学）は「発掘現場の様子や土器を洗う時の場面など、細部までまじめに丁寧に取材し、描いてくれた」と話す。教授をはじめ、学生らにも好評という。
小野さんは3歳のころ、父親の実家の奈良市高畑町に移り住んだ。周りは新薬師寺や白毫寺など寺院に囲まれ、自然と仏像にひかれていった。「高校のころ、仏像が好きというのはクラスで私くらいでしたね」と笑う。
中学のころから漫画家を目指し、高校ではバイトでためたお金で画材を買って漫画を描いた。卒業後はチラシやパッケージのデザインをする仕事をしながら、漫画を投稿した。当初は東京など都会を舞台にした少女漫画を描いていたが、なかなか思うようにいかなかった。結婚や子育てもあり、一時は漫画から遠ざかった。
そんな時、編集者から「奈良を舞台にした漫画を描いてみたら」と言われ、2010年に奈良町を舞台にした漫画「ホームスイートホーム」を出版。「慣れ親しんだ奈良を描いて、すごくしっくりきた」と振り返り、「メッシュ！！」の執筆へとつながった。今も時間があれば県内外の寺院に出かけ、お気に入りは円成寺の大日如来坐（ざ）像や新薬師寺の十二神将像。「メッシュ！！」にも仏像の知識が盛り込まれている。
「メッシュ！！」は10話完結予定で、連載はあと3回。「古いものを大切にする温かい雰囲気の奈良が好き。今後も奈良のことを描いていければ」。県内はじめ全国の書店で購入でき、2巻は年末ごろに発売予定という。
■奈良大学■
1969年開学。現在、文学部と社会学部に約2600人が通う。79年、文学部に全国初の文化財学科を設置。「考古学」「美術史」「保存科学」など文化財に関する学問を総合的に学べ、全国から集まった学生464人（4月時点）が在籍する。万葉学者の上野誠教授や近世国文学者の永井一彰教授、日本地理学会会長を務めた石原潤学長ら著名な教授を抱える。桜井市の纒向（まきむく）遺跡を調査する橋本輝彦・同市教委文化財係長ら、文化財の調査・研究に第一線で携わる卒業生も数多く輩出している。
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『メッシュ!!』が連載、単行本が発売されてから、新聞や地域誌によく取り上げられています。「仏像と考古学」という奈良らしい分野のマンガであるからだと思います。
大学校内の売店では私が目算したところ、50冊ほどの単行本が売られていました。おそらく、奈良市内のどの本やよりも多くの売上数だと思います。
大学の図書館にも単行本2冊が入っていました。また、掲載雑誌の「Kiss Plus」は連載すべての号が揃っています。
GW中に浜松市内のいくつかの本屋を見ましたが、どの本屋にも1冊ずつ置いてありました。離れた地域であっても、考古学や仏像といった今流行りの分野のためでしょうか？
連載が始まった当初は、掲載雑誌が大学図書館に置いてありました。「なぜ、マンガ雑誌が図書館に？」と思ったのですが、読み始めて「あぁ、考古学マンガだからか・・・」と最初は思いました。そして、1話の『メッシュ!!』の最終ページを見て、「あっ!うちの大学か!」と気づきました。そして、2話の三輪先生の研究室とコーヒー話しは一目見て分かりました。どの先生が関係しているかと。
連載があと3回で10話完結というのは寂しいですが、身近な生活空間がマンガの舞台となり、大学在学中のよい思い出になりました。
- 作者: 小野 直美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/03/12
- メディア: コミック
2010-05-10 20:45
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