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考古学研究では誰でも専門家になれる? [歴史]

 午後に桜井市立埋蔵文化財センターで催された秋季特別記念講演を聴いてきました。というのも、この講演会の講師は大学でお世話になっている先生(このブログに出てくる私の師匠)です。

 講演の内容は「弥生時代はなぜ終わったか」です。先生の講演内容によると、弥生時代は紀元前10世紀にはじまり、箸墓古墳の築造(3世紀半ば)で終わったということです。

 理由を挙げると切りがなく、長くなるので、その手の本やネットで調べればある程度出てくるので、そちらを参考にしてください。

 今回の講演で初めて知ったことは、「纏向遺跡の研究者は全国で2人しかいない」とうことです。

 「えっ?多くの人が論文や本で様々な説を出しているじゃないか」と思われるかもしれませんが、実際、纏向遺跡のみを研究テーマとしている人は2人だけのようです。他の研究者は「弥生時代研究の一環」や「古墳研究をする上での纏向遺跡研究」という方ばかりのようです。

 このようなことは他の考古学テーマでも言えます。私の研究テーマ「日本古代宮都」でも、飛鳥京・藤原京研究を専門(これのみ)で行っている人は2人だけとのことです。奈良県立橿原考古学研究所の林部均さんと奈良国立文化財研究所の小澤毅さんです。

 言い換えれば、「専門研究者のいないテーマでの研究は明日からでも『私は〇〇研究者だ』と堂々と言える」そうです。今、先生が注目している時代研究テーマは「時代間の境」です。たとえば、弥生時代から古墳時代への境、日本の先史時代から歴史時代への境が挙げられます。

 そうそう、いつものことですが、先生の講演会では常に笑いどころがあります。今回は会場後にいらした桜井市の文化財担当者との講演会中のやり取りが面白かったです。
先生:「・・・卑弥呼さんの墓やったら、三角縁神獣鏡がたくさんらりまっしゃろ。箸墓なら100枚
は埋まっとるやろな、〇〇さん(発掘担当者)。」
担当者:「そのように期待して日々努力して(発掘して)います。」
ちなみに、この時の担当者は私の大学の先輩で、先生のゼミ生でした。今回の講演を後で聴いていて、「大学時代の先生の講義を思い出した」と最後に感想で述べられていました。

 また、講演会資料に用いられた先生の著書に関する質問で、
参加者:「先生のこの本はどういう本ですか?」
先生:「この本は可哀そうな本なんですわ。シリーズものでして、他の本を担当された先生が
旧石器 捏造事件に関係してまして、発行後すぐに回収されたんですわ。今手に入れ
るには古本か、 出版社の倉庫へ行けばタダみたいな値段で手に入れることができまっせ。
まぁ、焼却処分されていると思いますがね(笑)」
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