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図書館の本の一部は私専用になりつつある・・・?~利用者のない本達~ [研究]

奈良県立図書情報館
奈良県立図書情報館 posted by (C)もんせ
 奈良県立図書情報館で行われた図書館劇場Ⅳ『平城京をめぐる宮都マンダラ』第6幕「長岡京‐なぜ平城京は廃都されたか」に行ってきました。

 会場の交流ホールには多くの席が並べられ、目算200名が参加していました。参加者の9割は60~70歳くらいの方で、私が最年少(20歳)のようでした。

 第1部は三重大学人文学部講師の清水みき先生による「長岡京遷都と造営プラン」でした。
 
 平城京から長岡京に都が移された公的な理由は、水陸の便=地理的・経済的理由だそうです。平城京は難波の港から離れ、間に生駒山があり、水運に不便なところにあります。そのため、より便利な長岡の地に都を移したようです。
 しかし、遷都には革命(天命)がともなっていたそうです。それは、これまで(称徳天皇まで)の天武系皇統から、桓武天皇の父光仁天皇から始まる天智系皇統への転換(王朝交代)に伴う新都造営だそうです。旧皇統の都平城京を捨て、新たな都を造る必要があったということです。また、天智系皇統や桓武天皇の血筋の正統性を正すこともあったようです。
 これら以外にも、細かな政治的要因もあったようです。

 アナウンサー都築由美さんによる司馬遼太郎著『空海の風景』の朗読が途中にありました。プロによる朗読を生で初めて聴いたのですが、CDのように美しくはっきりとした声でした。

 第2部は奈良県立図書情報館長であり歴史地理学の権威でもある千田稔館長による「長岡京の場所が宮都となったのはなぜか」でした。

 「みなさん、イオン(モール大和郡山)ではなく、こちらに大勢ご来場いただきありがとうございます」という笑いを誘う導入から始まり、「イオンができると、考古学的発見もできる(発掘できる)」など独特のトークが随所にありました。やはり、歴史学者は公演の場でうまい冗談も言えないといけないのだと思いました。

 長岡の地が新都として選ばれたのは、水運や陸運に便利なだけでなく、桓武天皇の母高野新笠の一族和氏が関係していたそうです。長岡の地は和氏系の拠点に隣接していたようです。
 
 講演が終わり、図書館の本を借りました。三重大学人文学部教授で長岡京のある向日市で発掘をしていた中山章先生の『長岡京研究序説』(2001 塙書房)です。また、繁田信一先生の平安時代の結婚事情を記した『かぐや姫の結婚』(2008 PHP研究所)も借りました。
 

 
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